小鹿田焼とは

小鹿田焼(おんたやき)は、大分県日田市の北部の山あい、源栄町皿山を中心とする小鹿田地区で焼かれる陶器です。

江戸時代中期(1705年)に、筑前の国 小石原焼から陶工・柳瀬三右衛門を招き、大鶴村(現日田市)の黒木十兵衛によって開窯された李朝系登り窯です。民藝の器として知られる小鹿田焼は、柳宗悦が訪れ、バーナードリーチが滞在したとこりにより、知られるようになりました。

開窯以来300有余年にわたって、当時の技法を受け継ぎ、一子相伝で窯の火を守っています。 昭和32年3月、県の重要無形文化財となり、昭和45年3月には国の記録保存文化財の指定を受け、そして平成7年に国の重要無形文化財保持団体の指定を受けました。

小鹿田焼は現在10軒の窯がありますが、そのうちの5軒が共同窯に属しています。集落の真ん中にある共同窯は登り窯で、柳瀬朝夫窯、柳瀬晴夫窯、黒木富雄窯、黒木史人窯、坂本浩二窯の5つの窯が管理しています。

集落の中を川が流れ、その川の水を利用して陶土を砕く「唐臼」(からうす)が動かされ、時折唐臼が陶土を挽く音が聞こえてきます。その音は「日本の音風景100選」にも選ばれるほどです。




お手入れについて

●高台の確認
器を裏返して高台の底がザラザラしているようであれば、目の細かいサンドペーパーで丁寧に磨くか、高台どうしをこすり合わせて、器のざらつきを取ってください。そのまま使用すると、他の食器やテーブルを傷つけてしまうことがありますのでご注意ください。

●ご使用前に
水煮をすると強度が増します。鍋に器と水を張り、沸騰したら、そのまま冷めるまで置いておきます。米のとぎ汁やぬかを入れると更に良いです。

●電子レンジ、食洗機のご使用について
1250度まで焼き上げた器ですので、基本的には問題ありません。長時間のオーブン料理はご遠慮ください。ただし、しみやヒビが入ったりする可能性がございますので、長く大切にお使いいただくためには、なるべくお避けください。

●収納について
収納するときは、同じ材質や形のものを重ねると傷つけることを避けることができます。また、大切な器や縁の薄い器などを重ねる場合は、間に和紙など薄紙をはさむようにするとよいです。




小鹿田焼制作過程

①土採り場から里へ運ばれた陶土は、10日位乾燥させて、唐臼でつき、粉末にする。



②唐臼でつかれた陶土を精製用の水槽に入れ、水簸(水漉し)を行う。



③水抜き台(おろ)で水分を取り除き、手ですくえるくらいまで、水分を抜く。



④水抜きされた陶土を1ヶ月ほど乾燥させ、さらに工人の手で練る。



⑤ろくろで成形する。



⑥へらで形を整える。



⑦白土を刷毛で塗る。



⑧天日で干して、乾燥させる。



⑨登窯で焼成する。