有田焼とは

有田焼(ありたやき)とは、佐賀県有田町を中心に焼かれる磁器のことです。

17世紀初頭、朝鮮人陶工・李参平(り さんぺい)らによって泉山で陶石が発見され、日本で初めて磁器が焼かれました。当時は、その積み出しが伊万里港からされていたので、「伊万里(いまり)」とも呼ばれます。

作品は製造時期、様式などにより、「初期伊万里様式」、「金襴手(きんらんで)様式」、「柿右衛門様式」などに大別されます。また、これらとは違う系統の献上用の極上品のみを焼いた作品があり、鍋島藩の御用窯で作られたものを「鍋島様式」、皇室に納められたものを「禁裏様式」と呼んでいます。



有田焼制作過程

①土の精製
有田焼は磁器なので、土ではなく陶石を砕き、鉄などの不純物を抜いた後、成形しやすくするために粘土状にします。
1616年、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際、李参平らが有田の「泉山」で陶石を発見したのがはじまりです。現在、陶石は熊本県の天草陶石を使用しています。

②成形
ほとんどの窯元が石膏型を使った方法で、成形しています。(同じものを大量に作ることができます)
一部ろくろによる成形もしています。

③乾燥

④焼成(素焼)
約800度の温度で焼成します。

⑤下絵付け
釉薬の下に絵付けします。



⑥釉がけ
釉薬をかけます。



⑦釉仕上げ
ひとつひとつ、口の部分をきれいにしたり、高台についた釉薬を剥いだりします。

⑧窯積み
専用の板に上にひとつひとつ並べて積み上げていきます。

⑨焼成(本焼き)
最大温度約1300℃で14~15時間かけて焼成します。

⑩上絵付け
赤、緑、黄色などの加飾のあるものは本焼き後にします。釉薬の上に描くのでこう呼ばれます。



⑪焼成(上絵付け)
約800℃で焼成します。
色が重なり合うものは、絵付けをするたびに焼成をし、色を増やしていきます。

⑫完成